もうやめてほしい・・・これ以上苦しめないで・・・
またあの頃に戻るのか・・・
破産者マップを見ていた「債務整理済み」の多くの借金ブロガーはそう思ったのではないでしょうか?
今回は「破産者マップ事件」流れと、破産者(債務整理者)の心境や課題について前向きにまとめてみました。
破産者マップ事件とは?
破産者マップとは、一個人が官報に掲載された情報をもとに、過去に破産した人の住所をグーグルマップ上で一覧化するサイトを作った事件です。
破産者マップではグーグルマップに破産者の住所地にピンが立っているんですが、そこをクリックすると「名前、住所など」個人情報がポップアップされて簡単に確認できるようになっています。
例えば自分の住所近辺を選ぶと、その周辺にたくさんのピン(破産者)が立っているわけです。
そのピンをクリックすると「あそこの山本さんの娘さんは破産したんだ・・・」とわかるわけです。
このサイトがネット上で話題になり、一時間当たり230万アクセスを記録した日もあり一時騒然としていました。
官報の目的とは違う使われ方
ネットの意見を見ると「すでに公開された情報をまとめて何が悪いのか?」という意見も見受けられます。
でもこれは〇〇という目的のために公開されているのであるから、利用目的が違えば問題となるのは当然です。
官報の目的である「〇〇」というのは・・・
債権者に「この方は債務整理をします確認してください」と債権者に公開しているものです。
さらに官報では
・本サービスの記事、図形等のデータを個人的な使用の範囲を超えて利用する事
・甲又は第三者の財産、プライバシーを侵害する行為又は侵害する恐れのある行為
これを禁じています。
簡単に言えば、そのままの状態で図書館などに置くのは良しとしても、勝手に加工したり、また個人情報を侵害する恐れのある行為は違反していますよ!・・・ってことです。
破産者マップはこれをしちゃったわけです。
このように「破産者マップ」は官報の元来の目的とは違い、債権者が見るのではなく、一般の方が簡単に見られるようにマップ化しました。
(債権者のためならそもそもマップ化は不要です)
興味本位のご近所さん探しが始まる
破産者マップが出た後は、「債権者ではない一般の方」がご近所さん探しのように「興味本位」で検索する人も多く、自分が感じたことは・・・
「破産者を晒して面白がっている」ように感じました。
それは第三者が「そもそも他人の個人情報を見る必要がない」からです。
見てどうするの?面白がっているの?
その間は、とても悔しくて悲しい思いをしました。
その後は関係各所も行動を起こし、結果的にはマップは閉鎖し、管理者はネット上で謝罪を行いました。
しかしいまだに管理者は匿名のままですし、一度ネットに流れた情報は消すことができません。
その後はサイトの削除や損害賠償などを求めて訴訟の準備を進めている。3月18日時点で68人が起訴準備を行っています。
今後はこの人数はもっと増えると思いますし、僕も応援していくつもりです。
借金ブロガーの心境
この「破産者マップ事件」を静観していた債務整理を行った借金ブロガーの心境はかなり複雑だったと思います。
そもそも借金ブロガーは架空ブログでない限りは、身バレの危険と常に隣り合わせです。
自己破産や個人再生を行うと「官報に実名が掲載」されて、かなり身バレの危険は上がります。
退職金計算書や家族の年収の証明など・・・色んなものを隠してどうにか解決したいと必死で進めてきて・・・
やっと・・・そう、やっとの思い
で崖っぷちから少し這い上がって
「ここからやり直すんだ!」
・・・そう思っていたのに
もう一度がけっぷちに落とされた気分です。
過去の地獄の日々を思い出したり、将来の絶望感を感じたと思います。
かといってブログに書くと話題になるかもしれなくて書けない・・・
これ以上話題にならずに静かに終わって欲しい・・・
そう思ったブロガーも多かったと思います。
僕も最初にブログを書く時はかなり躊躇しました。
なので事件が沈静化してブログに書きだす人が多くいます。
それは当然だと思います。
それほど今回の事件は借金ブロガーを複雑な心境にさせました。
借金ブロガーの方にしてみれば過去の状況を痛いほど思い出した時期でもあったと思います。
破産者マップで生まれた悲しい被害者
今回の件でたくさんの悲しい出来事がありました。
そもそも破産者は「債権者に対しては加害者」です。
債権事件に関しての被害者は破産者ではなく債権者です。
なので破産者は「借金に関しては」被害者ではないし、具体的にいうと「債権者に対して迷惑をかけていますし」それは理解しています。
でも今回の事件は上に書いてるような「債権事件」ではありません。
あくまでも個人情報が公開され、官報を悪用した事件であり、その事件での被害者であります。
ましてや一般の方は「借金にたいして何の被害もない」わけです。
なのにこの行為に賛同する一部の方もいることが、とても悲しく感じました。
今回の件では予想された被害者がたくさんいます。
親の破産がバレて婚約破綻になったケース
会社にバレて辞めざるを得なくなったケース
嫌がらせのチラシがポストに投函されたケース
これ以上にもたくさんのケースがあると思われます。
ギャンブルや投資の失敗は自業自得だとしても・・・
事業の失敗で個人再生をした方
連帯保証人になって破産した方
借金にも色んな事情があるのに「借金した奴が悪いから我慢しろ!」そんな風潮に少しでもなったのなら悲しすぎます。
前回のブログでも書きましたが
債務者(借金をした人)の今後を判断するのは法であり、また債権者と裁判所です。
破産者マップ事件とマスコミの報道
今回の事件でネット社会の恐ろしさを嫌というほど知ることができました。
今回の教訓では「公開されている情報ならネットで晒しても大丈夫!」という、普通なら誰でもダメだとわかる行為をあえて確認したことです。
公開された情報でも「公開ルール」があり「著作権」があります。
そんな当たり前のことも分からず便利さだけを追求し、さらには面白さで騒ぐ行為がとても怖く感じました。
少なくともマスコミ各社が「事が沈静化、マップが閉鎖してから報道」したことに対しては大人の対応をとして感謝しています。
破産者マップのまとめと注意点
今後気を付けてほしいのが、破産者マップで被害を受けた方が破産者マップの管理者へ個人的な仕返しなどをしたり、自分の人生に対して最悪の選択をする事です。
裁くのは法であって裁判所です。
今回の件で人生を台無しにされた方は多いとは思いますが、早まったことは考えずにプロに任せましょう。
そして自分の人生を終わったと考えずに、もう一度だけ人生をやり直してみましょう!
こんなことで大切な人生を終わらせたらダメです。
今回の件で、借金ブロガーには「破産者マップで苦しんでる方」や「借金で苦しんでる方」に、元気を与えてほしいと思っています。
いつも応援ありがとうございます。