偏頗返済って言葉ですが、一般の方は聞いたこともない言葉だと思います。
でも自己破産や個人再生などで借金を法的に解決する方は知ってる単語です。
そして一番に気を付けないとダメな事の一つでもあります。
もし
まだ借金の法的な解決をしていない方も、知らず知らずに偏頗返済をしちゃう場合もあるので要注意です。
ところで・・・
偏頗返済ってなんだよ!
って部分から説明して、偏頗返済するとどうなるか?など具体的に説明していきたいと思います。
へんぱ偏頗返済とは
偏頗弁済(へんぱべんさい)というのは、ある特定の債権者にだけ返済する行為のことです。
借金の解決のために弁護士の先生に依頼し、弁護士の先生が
「この人の借金は私が代理人になります!」
・・・と受任通知を債権者に送られた時点で
債権者平等の法則で物事は進行していきいます。
分かりやすく言うと・・・
今から借金も全て裁判所を通して片づけるから
ここでストップするよ!
全員に返済しないよ!
ってことなんですが・・・そう言いながら一部の債権者にだけに借金を返済すると問題ですよね?
これが偏頗返済と言います。
1円でも10万円でも返済すると偏頗返済になります。
無意識に偏頗返済になる危険性
弁護士の先生も借金問題を受任した時点であなたに・・・
もう返済しないでください!
とアドバイスをしてくれ、自分でも返済しないつもりですが・・・
よくある偏頗返済がスマホの割賦料金やクレジットカードの返済です。
スマホ本体の代金の割賦料金は「生活費の一環としての通信費」に含まれる場合もありますが、借金と同じように扱われる場合もあります。
基本的に生活費は偏頗返済に扱われませんが、必ず弁護士に事前申告してください。
また締め日などで忘れた頃に引き落とされるクレジットカードにも要注意です。
受任通知を出しているのにシステムの都合上、受任通知後に引き落とされることもあります。
当然ですが・・・偏頗返済になります。
故意的な偏頗返済
中には・・・あまりにも業者がしつこくて、受任通知後についつい少しでも支払っちゃう場合もあるかもしれません。
もしくは友人に借りたお金や会社から借りたお金も、受任通知後に返済する場合もあるかもしれません。
これは意図的な偏頗返済になるので絶対にしないでください。
自己破産者が偏頗返済をするとどうなるか?
自己破産者が偏頗返済をすると「免責不許可になる!」と・・・よく聞きます。
また個人再生者も再生手続きが難しくなるとか噂を耳にします・・・
でも実際は違います。
自己破産者が偏頗返済をした場合は管財事件になります。
それは複雑な手続きになりますし、予納金(20万円ほど)も発生します。
そしてその上で「免責不許可事由」になるかどうかを判断されます。
基本的に偏頗返済と判断されたら免責不許可ですが、自己破産の場合は「裁判所の裁量免責」という部分もあるので、絶対に免責不許可というわけではありません。
ただし悪質な偏頗返済の場合は難しいかもしれません。
こうなると詐欺と疑われる可能性もあります。
個人再生者が偏頗返済をするとどうなるか?
個人再生者の場合は自己破産者と多少異なります。
個人再生者の場合は「債権者平等の原則」で、偏頗返済した部分を他の債権者に同様に返済するという形で再生計画が立てられます。
Aさんにだけ返したのなら不公平なので、他の人にも返済しますよ!ってことです。
なので。そこまで怖がる必要はありませんが・・・これが悪質だと「再生計画の反対要因」になりえます。
やはり注意して避けておきたい部分です。
特に個人再生は手続きが面倒でデリケートな事が多いので注意してください。
せっかく受任してくれた弁護士の先生も裏切る形になります。
【再生計画反対について】
偏頗返済についてのまとめ
普通ならありえない偏頗返済ですが、中には悪いことを考える人もいる訳です。
他から借りてこの人にだけ返すとメリットがある!的な感じでしょうか?
こうなると詐欺に近い行為です。
自己破産や個人再生は犯罪ではありません!
きちんと裁判所を通して行う行為です。
そういう部分を頭に入れながら弁護士の先生と何でも話しておくことが大事です。
些細なことでもいいです、弁護士の先生に相談に行く前にメモで質問事項をまとめておいて、相談時に一つ一つ丁寧に話すことが大事です。
実は僕も偏頗返済の危険がありました・・・
注意しておきながらもこういうことが起きるので、さすがにこの時は冷や汗が出ました。
今回は偏頗返済について記事にしました。
当ブログの過去記事でも取り扱った事がありますが、今回は自己破産者にまで範囲を広げて分かりやすくシンプルに説明しました。
借金で悩まれてる方、もう解決に向かってる方、みなさんの参考になればと思っています。
いつも応援ありがとうございます。