個人再生の最大のメリットは住宅ローン中の住居も残せるって事です。
基本的に住居のような高額な資産を残したまま個人再生をすると・・・当然ですが債権者に反対されるので無理でしょう。
でも住宅ローン返済中の場合は可能性があります。
ここで押さえておきたいのは個人再生のルールです。
個人再生は①減額した借金と②持ってる資産を比べて、多い方を返済する!
この一つを頭に入れると個人再生の返済について・・・大体理解できます。
個人再生の大事なルール
個人再生は最低でも清算価値より多い金額を返済しないとダメ!
これが基本的な個人再生のルールです。
一言で言うと・・・
「おまえの資産を金に換えた金額以上は最低でも返せよな!」
ってことです。
【清算価値って何??】
清算価値は手持ちの資産(保険や住宅含む)をすべて現金にした価値の事です。
減額した返済額以上の資産があるなら返せ!
例えば上のルールを簡単に置き換えるとこうなります。
Aさんは借金が300万円で個人再生を行うと・・・減額されて100万円の返済になります。
※表を参考にしてください。
小規模個人再生での返済額は下記の表を基準に計算されます。
100万円未満 | 借金総額 そのまま |
100万円以上500万円以下 | 100万円 |
500万円超1,500万円以下 | 借金総額の5分の1 |
1,500万円超3,000万円以下 | 300万円 |
3,000万円超5,000万円未満 | 借金総額の10分の1 |
でもAさんは・・・ローン残債のない、500万円の新車を持っていました。
当然ですが債権者は・・・
おいおい!その車を売って返せよ!!
ってなります。
これが清算価値以上の返済の個人再生のルールです。
これを住宅に置き換えると分かりやすいと思います。
アンダーローンは差額が全て資産扱い!
住宅の場合はほとんどが住宅ローンの支払い中だと思われます。
なのでここで清算価値(住宅を現金にした場合)を出すには、ローンとの相殺をする必要があります。
①ローン残高が住宅の価値より少ない場合 → アンダーローン
住宅の価値1000万円 ー ローン残高300万円 =700万円の清算価値
②ローン残価が住宅の価値より多い場合 → オーバーローン
住宅の価値1000万円 - ローン残高1100万円 =-100万円
②は特殊ですが、ほとんどの場合はアンダーローンになっていると思われます。
①の方が、個人再生を行うと、最低でも700万円の返済をする必要があります。
もっと詳しく説明すると、住宅以外の資産・・・車や保険の解約返戻金も加算されます。
これが最低でも返済しないとダメな金額になります。
※詳しくは弁護士の先生に事前に相談必須です。
住宅ローンの残債が少ない人
残債の多い少ないをどう計算するのか?ってことですが
住宅を残しながら個人再生を行うと想定したい場合・・・
個人再生が3年で返済となるので
例えば借金300万円で、マンションの資産価値が1000万円の場合
(ローン残債と評価価値の差額)
1000万円 ÷ 36回 = 月の返済額・・・約27.8万円
おおよそですが、こうなります。
査定はしておいて損はない
大事な住宅ですが・・・今の生活がもう破綻している場合は、やはり個人再生などに頼るしかありません。
その場合は、思い切って住宅を任意売却するのも手です。
僕はそうしました。
任意売却して返済に回しました。
査定や任意売却となるとハードルが高そうに感じますが、基本的には不動産会社への電話一本で解決します。
住宅ローンとの相殺や銀行や買主との交渉・・・すべて不動産の担当がしてくれるので、売却当日まですることはありませんでした。
当然ですが査定のみも可能です。
思った以上に簡単だったので、早めに連絡しておけば良かったと後悔しました。
借金の解決を考えるのなら、どちらにしても自宅の査定価格は把握しておく必要があります。
僕の場合はこのような流れでした。
【住宅売却からの個人再生】
①不動産会社数社に査定依頼
②そのうち数社に委託
③買主が見つかり、住宅ローンの残債と相殺で売却
④手に入った現金で返済などする
結果的に全額返済はできずに・・・生活の圧迫が続き
⑤数年後に個人再生
住宅がない分だけ、個人再生の手続きは簡単でしたが、やはり売却したお金の使い道は弁護士の先生に書面(返済した証明)で説明をしました。
住宅ローンと個人再生のまとめ
個人再生ですべての借金が減額されるわけではありません。
住宅(資産)があると、その分が清算価値として扱われ・・・
減額した借金か?
持ってる資産か?
どちらか多い方を返済するのがルールです。
そう考えるとやはり一番高額になる「自宅の査定」は事前にしておくのが大事ですね。
あと大事なのは住宅ローンの保証人が誰になってるのか?という部分も確認しておくのが大事です。
(保証人に迷惑をかけないように事前にチェック)
ちなみに住宅を担保にしてお金を借りる「リバースモーゲージ 」もあります。
個人再生は、借金が返済できなくなってから、延滞してから・・・のケースも多いですが・・・
借金は計画的に・・・そして借金返済はなるべく事前準備を行ってから!
いつも応援ありがとうございます。
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